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喫煙の生体防御機構への薬理作用

五味田 裕*1

はじめに

生体は、外部環境の変化に対応して内部環境を一定に保ち、生体を正常に維持させる「ホメオスタシス」の機能を有している。その外部変化が生体にとって不利益と判断すれば、その「ホメオスタシス」機能は生体の維持および生体防御のため執拗にそれに対応する。その代表的な生体の防御機構に、1936年セリエが提唱した内分泌機構に関係した「ストレス」の概念があり、さらに1980年ごろには免疫系の生体防御機構の関与が注目されるようになってきた。

「ストレス」は、いうまでもなく物理化学的ならびに精神的に生体が不都合な刺激を受けたときの生体側の生物反応であり、その外来刺激をストレッサーという。その刺激に対して生体側は、神経系機能とともに内分泌系機能で対応し、生体を防御している。すなわち、ストレス負荷時には、大脳皮質-視床下部-下垂体-副腎皮質系と自律神経系、特に交感神経(ノルアドレナリン)-副腎髄質(アドレナリン、ノルアドレナリン遊離)系が対応している。最近では、これら神経・内分泌系に加えて、免疫系が密接に関係していることがしだいにわかってきた。すなわち、神経系、内分泌系および免疫系は、お互いに密接なつながりをもって生体防御機構に関係していることになる。

一方、たばこ(Nicotiana tabacum)の喫煙は、種々の生体系機能に影響を及ぼし、特にたばこ煙の主要成分であるニコチンは、ヒトの意識水準維持および情動発現に関係する中枢神経系をはじめ、また内分泌系にも影響を及ぼす。さらに、ニコチンの神経系へのかかわりは、上記の生体防御系の神経系および内分泌系に加えて、免疫系機構にも影響を及ぼしていることが明らかになってきた。本稿では、たばこ煙の主要構成成分であるニコチンが、神経系、内分泌系および免疫系を含む生体防御機構にどのように影響しているのか、またいかにかかわっているか、現在、喫煙科学研究のいくつかのグループで行われている研究を中心に記載することとする。

生体防御機構における神経・内分泌系の役割とニコチンの作用

1)生体防御機構における神経・内分泌系の役割

ストレス刺激は生体にとって不利益なものとなる。生体は、大脳辺緑系、視床下部、下垂体、副腎系および自律神経系を介して防御反応を示す。ストレス刺激が加わり、生体がそれを不利益なもの、すなわち不快なものと判断すると、不快的情動が発現される。それとともに、視床下部よりcorticotropin releasing hormone(CRH)1)が分泌され、下垂体よりACTHが分泌される。最終的に、副腎皮質からはコルチゾールが分泌され、視床下部および下垂体に負のフィードバックがかかる。一方では、視床下部(自律神経高位中枢)の興奮により、交感神経系を介して副腎髄質よりアドレナリンが分泌され、生体防御体制をとる(図-1)。

2)生体防御としての神経・内分泌系に及ぼすニコチンの作用

ニコチンは、末梢では各臓器および器官の機能維持に欠くことのできない自律神経系および運動神経系機能に、さらに中枢では意識維持および情動発現機構などに影響を及ぼす。その神経系の主な作用点は、自律神経系節、運動神経筋接合部、さらに交感神経-副腎髄質系におけるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)2)である。さらに、中枢内のnAChRの研究とともに、ニコチンの中枢作用が明らかにされつつある。ニコチンの神経に対する作用は、興奮および抑制の両作用を有する。すなわち、ニコチンは神経細胞膜に対して、はじめは脱分極により興奮させ、その後は持続的脱分極で逆に抑制させ、複雑である。現在、nAChRにかかわる生理作用の解明とともに、他神経伝達系への影響、さらに神経系以外の生体機能への影響と研究が進みつつある。

一方、ニコチンは神経系ばかりでなく内分泌系にも影響を及ぼし、たとえば視床下部-下垂体系での抗利尿ホルモン(anti-diuretic hormone:ADH)の分泌をうながし、尿量を減少させることは有名である。また、ほかの内分泌関係でも、ニコチンは種々の影響を与える可能性がある。

3)ニコチン受容体について

1.ニコチン受容体サブタイブ

ニコチンが作用する神経系の受容体については、さきに自律神経系、運動神経系および中枢神経系に存在することを記した。このnAChRについては、沼らのグループ3)が1982年にシビレエイの電気器官のnAChRのαサブユニットをコードするDNAのクローニングに成功し、その後、シビレエイの骨格筋型nAChRの全サブユニットがクローニングされ、一次構造が明らかになってきた4)5)。シビレエイの骨格筋型nAChRでは、(α)2βγσというサブユニット構造を、また自律神経節、脊髄および脳における神経型nAChRにおいては、(α)2(β)3または(α)3(β)2というサブユニット構造をしていることも明らかになってきた6)。しかしながら、脳内のnAChRについてのサブタイプについては、明らかになっていない。現在、三輪ら29)は、ラット脳孤束核ニューロンにおけるnAChRについて、その電気生理学的特性をパッチクランプ法を用いて調べ、このニューロンのnAChRサブユニット構造を明らかにしつつある。

2.加齢と脳内ニコチン受容体

加齢により中枢神経系の機能が徐々に低下することは、よく知られている。老齢化ラットでは、除神経時のアドレナリン作動性β受容体の分布密度の増加はみられないという7)8)。また、デスメチルイミプラミンを連続投与したときのβ受容体分布密度の低下は、長時間経過したあとも回復しないという9)。これらのことは、脳内の受容体合成能が加齢によって低下していることを意味している。さらに、フェノキシベンザミンの投与時の大脳皮質でのα1およびα2受容体の分布密度は、著しく低下するが、その回復に長期間かかるという。一方、東30)は104週齢の高齢ラットで、α1受容体ばかりでなく、ニコチン受容体、ムスカリン受容体、さらにエンドセリン受容体においても、その分布密度は著名に低下していることをみている。これらのことは、加齢に伴い中枢神経系の各種受容体の分布密度や親和性が徐々に変化していることを意味している。

3.長期投与時の行動変化とニコチン受容体

たばこの長期喫煙またはニコチン長期応用時の行動変化とニコチン受容体との関係は、定かでないところが多い。五味田ら10)11)は、ラットへの連日たばこ煙の応用およびニコチンの連日投与により、尾に局限した振戦(tail-tremor)を観察するとともに、自発運動量の増加をみている。このtail-tremorは、コリンエステラーゼ阻害薬のフィゾスチグミンで増強され、中枢移行性の高いメカミルアミンで拮抗し、この発現には中枢性ニコチン受容体が関与していること(図-2)を明らかにしている。さらに、このtail-tremorは、中枢移行性の高い非選択的なβ受容体遮断薬のプロプラノロールおよびピンドロールで抑制されるが、β1受容体遮断薬メトプロロールでは抑制されないことより、中枢性β2受容体の関与が推察される12)。またこのtail-tremorは、カテコールアミン神経毒である6-hydroxydopamineの脳室内および脊髄内注入で初回投与時より著明に発現することより、脊髄のノルアドレナリンの関与が示唆されている。一方、自発運動量に関して、ドパミン作動薬のアポモルヒネおよびメタンフェタミンによって誘発される運動量の増加は、ニコチンの長期(14日間)投与によって増強され、このことより、ニコチンの長期投与はドパミン受容体の感受性を亢進している可能性がある。

 4)脳内ニコチン受容体と学習行動・意識レベル

1.記憶学習

記憶学習は、脳内の高度機能によってなされていることはいうまでもなく、最近その学習記憶にかかわる神経として、脳内コリン作動性神経系が注目されている(図-3)。

記憶学習能力は加齢とともに衰え、主に脳内コリン作動性神経系の機能低下がいわれている。一方、記憶障害の著しいアルツハイマー型痴呆症の患者の脳においては、アセチルコリンが低下し13)、またこの疾患での剖検例では、前脳基底核のマイネルト核で神経変性が観察されている14)。この部分は大脳皮質にコリン作動性神経を投射している起始部でもあり、この部分の変性はコリン作動性神経系にかかわる脳機能に影響を及ぼす。

一方、たばこの主成分のニコチンは、脳内のnAChRに作用して、コリン作動性神経系、ノルエピネフリン作動性神経系さらにはドパミン作動性神経系に亢進的に作用することがいわれている15)。これらのことは、ニコチンはアセチルコリン作動性神経系の亢進を起こし、低下した記憶学習を亢進させる可能性を示している。

佐々木ら31)は、長期間コリン欠乏食で飼育したラットで脳アセチルコリン欠乏動物を作製し、学習記憶能力の低下をみている。このような動物で、ニコチンは認知機能の有意な改善を示している。さらに、老化促進マウスの学習記憶低下状態でも、ニコチンは改善作用を示すという。また、老化促進マウスにおいて脳ヒスタミン低下時の認知機能抑制に対して拮抗し、これらのことより、ニコチンはヒスタミンを含む多くの脳内神経伝達物質の放出をうながし、学習記憶機能を改善する可能性がある32)としている。いずれにしても、この促進効果には、ニコチンのアセチルコリン作動性神経への作用機構が考えられている。

2.ニコチン弁別学習

ヒトのたばこ喫煙時には、種々の自覚的な感覚がある。動物で、その自覚的感覚に相当するものを薬物弁別学習行動を利用すれば観察することができる。ニコチン投与時も例外ではない。安東ら33)は、ニコチンの弁別効果と脳内ニコチン受容体の関係を明らかにするため、ラットを用いたニコチン弁別学習行動実験を行うとともに、脳各部位における3Hニコチン結合実験を行っている。すなわち、ニコチンと生理食塩水の末梢投与時のレバー押しによる弁別が確立したラットにおいて、ニコチンの脳内直接投与による般化(generalization)実験では、背側海馬への投与時ではその般化は部分的であったが、側坐核へのニコチン投与時では般化が認められたという34)。そして、側坐核投与時の般化現象は、血液脳関門を通過しないへキサメトニウムでは拮抗されず、血液脳関門を通過するメカミルアミンによって拮抗される16)。このことは、脳内のこの部位でのニコチン受容体の関与を示唆している。さらに、3Hニコチン結合実験でも、側坐核で高い結合性を確認している。

一方、ニコチンの弁別行動は、ドパミン作動性神経に影響を及ぼすアンフェタミンに部分的に般化する場合もあり、またα-MTおよび6-OHDAにより減弱されることより、この弁別行動にはカテコルアミン作動性神経の関与が考えられる。さらに、ニコチンの効果には側坐核のドパミン作動性神経が重要であるとの報告などを考えあわせると、ニコチンの弁別効果発現には、中脳-辺縁系および中脳-皮質系ドパミン神経路が関係している可能性がある35)

3.意識レベル・活動性

喫煙は、心理的緊張または意識レベルを高め、精神的活動を亢進させることはよく知られており、また繰り返し行動を容易に持続させるという。意識レベルをよく表わす脳波をみると、喫煙時はα波の脳波が減少し、注意状態時に出現するβ波が増加する傾向がある。一方、動物(ラット)の自発運動に対しては、ニコチン皮下投与は対照群よりもその活動性を亢進させ、その作用は投与直後より現われ、10分近く持続する。Clarke17)は、ニコチンによる自発運動量の増加が中枢移行性の高いメカミルアミンにより抑制されることをみており、中枢性のニコチン受容体の関与を明らかにしている。一方、ニコチンはドパミン作動性神経系に影響を及ぼし、自発運動の調節にも関係しているという。

 5)脳内ニコチン受容体とドパミン神経との相関

1.ポジトロンエミッショントモグラフィ(PET)法による実験

藤原ら36)は、ドパミンの前駆物質である L-[β-11C]ドパ(半減期20分)を静脈内投与し、各脳部位でのドパミン神経の活動の状況をPET法で調べる方法を開発している。すなわち、ドパミン受容体の多い脳内線条体の動態を調べ、さらに脳透析法により細胞外液を調べる方法で、脳内ドパミン神経の活動性を推測している。L-[β-11C]ドパ単独またはL-[β-11C]ドパと非放射性ドパの同時投与(末梢)では、末梢でドパミン代謝が行われるため、脳内線条体のラベル化は不可能であったが、ドパ脱炭酸酵素阻害剤ベンセラジッドの投与により、かなり選択的に線条体のドパミンのラベル化に成功している。これにより、脳内ドパミン神経の活動を無侵襲的にモニターすることができるようになるものと思われる。一方、ニコチンはnAChRを介してドパミンの遊離を起こすことが知られている。今後、この方法はドパミン神経をはじめとする脳神経活動性に対するニコチンの作用の解明に大いに役立つものと期待されている。

2.ニコチン・ドパミン神経との相関(脳透析法による実験)

最近、脳の神経伝達物質の遊離に関する研究に、脳透析法が利用されるようになってきた。この脳透析法を用いたニコチンと脳内カテコルアミンに関する研究において、ニコチン投与によるドパミン遊離の増加はニコチン性受容体遮断剤によって抑制されることがわかり、このことより、脳においてニコチンはドパミン神経末端に存在するニコチン受容体に作用してドパミン遊離を促しているといわれている18)-21)。成宮ら31)は、微小脳透析法を用い、脳透析液内に直接ニコチンを添加して線条体へ投与すると、透析液中のドパミン量が増加することをみている。しかし、ニコチンは持続的に投与されているのにもかかわらず、そのドパミン遊離は一過性であることも観察している。さらに、このニコチンで誘発される線条体ドパミンの遊離増加は、Naチャンネル遮断薬のテトロドトキシンおよびCaイオンチャンネル遮断薬NKY-722の前処置で拮抗されることをみている。これらのことより、成宮ら38)は、ニコチンは脳の線条体に直接作用してドパミンの遊離を起こすことを、また、ニコチン受容体はドパミン神経終末でなく、ドパミン神経とシナプスを形成する節後神経に存在することを明らかにしている。さらに、L体ニコチンの持続投与または高濃度の投与は脱感作現象を伴い、一方、D体ニコチンはL体と同様の作用を有するが脱感作現象は起こりにくいことも明らかにしている。

3.ニコチン・ドパミン神経との相関(行動およびマイクロダイアリス実験)

ニコチンをラットに投与すると、その自発運動量を増加させ、脳内カテコルアミンの代謝回転を亢進させる。この増加、亢進作用は、中枢性ニコチン受容体遮断薬で拮抗されることより、この作用はニコチン受容体を介しているといわれている。一方、中村ら39)は、脳線条体切片での実験で、ニコチンがドパミンのみならずその前駆体のDOPAをもCaイオンに依存的に遊離することを明らかにしている。さらに、外来のL-DOPAがDOPA脱炭酸酵素阻害下でドパミンおよびノルアドレナリン遊離を低濃度で促進し、中等濃度において抑制する事実を示している。これらのことから、ニコチンはニコチン受容体に作用して自発運動量の増加を起こすが、その増大作用の一部は内因性DOPAに修飾されている可能性がうかがえる。

一方、同研究者ら40)は、マイクロダイアリス法により、線条体におけるDOPAの伝達物質様の遊離について検討し、内因性DOPAが生理的条件下で遊離されていることを、さらにこの遊離はニコチンによって誘発されることを証明している。よって、ニコチンによる自発運動の増大には、内因性DOPAが関与している可能性が高いものと考えられている。

また、五嶋ら41)は、ニコチンの線条体局所灌流実験において、線条体におけるニコチン受容体を介したDOPAの遊離を証明している。その遊離に関係するニコチン受容体は、緊張性に機能しているという。一方、DOPA作用はDOPA脱炭酸酵素阻害薬の前処理によって増強され、DOPAおよびドパミンの遊離と自発運動の時間経過の解析から自発運動の増大作用はDOPAとドパミンの共存下において惹起されることが示唆されている。さらに、少量のDOPA(無作用濃度)が、D2作動薬クインピロールの自発運動増大作用をドパミン遊離増大を起こすことなく増強し、このことは、DOPAがドパミンに変化せず直接DOPA特異的受容部位に作用している可能性を示している。これに関して五嶋ら41)および三須ら42)は、ドパミン神経のシナプス後のD2受容体応答に対するポテンティエター(増強物質)としての作用が関係しているものと推察している。一方、DOPA は線条体アセチルコリン遊離抑制作用を有し、この作用はドパミン神経破壊により過敏となることなどより、ニコチンの情動にかかわる作用には、脳内シナプス活動においてニコチン受容体、DOPA受容体およびドパミン受容体機能が密接にかかわっていることが推察されている。

 6)ニコチン受容体と脳血流

喫煙により血管は収縮し、心拍数は増加することはよく知られている。一方、脳血流量は増加または不変とされているが、その詳細は不明である。古平ら43)は、超音波定量的血流測定装置および経頭蓋骨的超音波ドプラ血流測定装置を用いて、ヒトで過呼吸が出現しないリラックス状態での喫煙時の影響をみているが、血圧上昇、心拍数増加とともに脳血流の増加をみている。これは、たばこ煙吸入時の血中ニコチン濃度の増加が体血圧上昇、心拍数増加を引き起こし、頸・脳動脈血流が増加した結果と考えられている。さらに、ゆとりをもった喫煙時では、脳血流が増加することを証明している。また近藤ら44)は、超音波ドプラ血流測定装置を用いて、ニコチン量の異なる4種のたばこの喫煙時における内頸動脈、椎骨動脈および上下枝動脈の血流量を測定しているが、その結果、ニコチン含有たばこおよびニコチンを含まないたばこのいずれの喫煙も血流を増加させることをみている。これは、ニコチンの作用のほかに、ニコチン以外の因子によっても、脳血流が増加する可能性を示すものと考えられている。

前述のニコチンによる脳血流の増加は、ニコチン受容体を介している可能性がある。佐藤ら45)は、歩行刺激でコリン作動性神経系を賦活化して大脳皮質の血流の増加作用を観察し、この作用はメカミルアミンまたはアトロピンで拮抗されることをみている。このことから、脳血流増加作用発現へのニコチン性およびムスカリン性アセチルコリン受容体の関与が考えられている。

 7)ニコチン受容体と内分泌

たばこ喫煙は脳下垂体のホルモン系機能に影響する。喫煙が尿量生成を抑制することは前々からいわれ、これは、下垂体より分泌される抗利尿ホルモン(ADH)に対するニコチンの分泌亢進作用に関係があるという。一方、最近、詳細な下垂体成長ホルモンの分泌機構と、それに対するニコチンの影響が報告されている。下垂体成長ホルモン(GH)の分泌調節機構は、視床下部の分泌促進因子(GHRH)と抑制因子(ソマトスタチン:SRIF)により二重の影響を受けており、さらにそれは上位下位中枢により種々の神経伝達物質を介して制御されているといわれている。

井村ら46)は、神経ペプチドによる下垂体成長ホルモン分泌調節機構において、新しい神経ペプチドのガラニンを用いて脳内ニコチン受容体の関与を研究している。ガラニンは小腸から単離される神経ペプチドで、消化管をはじめとして、脳内では間脳視床下部および下垂体にも局在する29個のアミノ酸よりなるペプチドで、その局在性より視床下部および下垂体における神経機能が注目されている。ガラニンの脳内投与は下垂体のGH分泌に対して促進的に作用し、その作用は抗GHRH血清前処理によって拮抗され、さらに特異的に脳内ニコチン受容体を遮断するネオスルガトキシンによって拮抗される。このことより、ガラニンのGH分泌亢進作用にはニコチン受容体が関係しているものと考えられている。すなわち、ニコチンはこの視床下部-下垂体系のニコチン受容体に作用して、下垂体からのGH分泌を促進していることがうかがえる。さらに井村ら47)は、ガラニンのGHRH放出促進以外に、コリン作動性機構と同様に、視床下部ソマトスタチンの放出を抑制するGH分泌機構も存在することも指摘している。すなわち、中枢性ニコチン性コリン作動性神経機構がアドレナリンα2受容体に関係し、ソマトスタチンの放出を抑制していること、またそのα2受容体機構にセロトニン作動性機構が関係していることも示唆している。

 8)ニコチン受容体と胃機能

たばこの喫煙は胃腸運動ならびに胃粘膜血流に対して抑制的に作用していることがいわれている。しかしながら、たばこ成分のニコチンの複雑な薬理作用により、その作用は不明な点も多い。大隅ら22)-24)は、ニコチンを脳室内に投与すると初めは胃運動が減少し、続いて増大する2相性の変化を示すことをみている。その2相性の変化は迷走神経背側核内への微量のニコチン投与で再現でき、また外側視床下部の電気刺激および2-deoxyglucoseの化学的刺激による胃運動の亢進はニコチンの迷走神経背側核内投与によって抑制され、その有効量は胃液分泌および粘膜血流の抑制量にくらべきわめて小さいという。これらのことより、ニコチンの胃運動抑制の脳作用部位は脳幹部迷走神経背側核があげられ、喫煙時の胃運動の抑制はニコチンの中枢性作用により惹起されていることがうかがえる(図-4)。

一方、同研究者ら48)はニコチンの胃分泌および胃粘膜血流に及ぼす影響についても検討している。今までに、ニコチンの脳内投与は視床下部の腹内側核後部に作用し、迷走神経系を介して胃酸分泌を亢進していることを明らかにしている。さらに、外側視床下部の電気的刺激または2-deoxyglucose投与での胃酸分泌亢進は、たばこ煙のアルカロイド成分の脳幹部迷走神経背側核内投与で抑制されることもみている。この抑制機構には、中枢性ノルアドレナリン神経が関係しているという。以上のように、胃機能に及ぼすニコチンの中枢作用は、胃酸分泌と胃運動とで定性的にも用量的にもかなり作用態度が異なっているようである。

大隅ら49)50)は、さらに喫煙との関連で、ニコチン連続応用時の胃運動への影響を検討している。その結果、ニコチンの脳室内の反復投与は、単回投与時の2相性の変化とは異なり、胃運動の抑制作用だけが現われることをみている。このことは、ニコチン受容体を介する胃運動増大機構が抑制機構より感受性が低く、反復投与によって脱感作を受けやすいからかもしれない。一方、視床下部切片からのノルアドレナリンの遊離は、10日間のニコチンの全身投与ラットでより増加する。そのことより、祝床下部ニコチン受容体の脱感作が中枢ノルアドレナリン作動神経終末のautoreceptor機能の減弱を起こしている可能性を示唆している。現在、ニコチン性受容体のup-regurationとの関連において興味がもたれている。

生体防御としての免疫機能とニコチンの作用

1)防御機構としての免疫・内分泌系

生体免疫系は生体の防御機構そのものといってよく、外部からの自己と異なるものに対して自己保存のために挑戦的に戦う。そのため、免疫系は前記した神経および内分泌系と協調・牽制しあいながら、その目的のため機能する。実際に免疫応答にかかわる細胞は生体の間葉系細胞群がつかさどり、特に直接担当する細胞、すなわち免疫担当細胞(免疫細胞)には、リンパ球、マクロファージおよび樹状細胞などがある。リンパ球は骨髄由来のB細胞および胸腺由来のT細胞に分けることができる。生体に抗原が入ると免疫応答が誘発されるが、そのときマクロファージ、樹状細胞、T細胞およびB細胞が活性化されるとともに、サイトカインが産生、放出、増殖される。最終的には免疫グロブリンが関係する体液性免疫および種々のサイトカインが関係する細胞性免疫が対応し、生体側の防御にあたる。

一方、生体へのストレス刺激が視床下部-下垂体-副腎皮質系を賦活させることは、よく知られている。この系において免疫系のサイトカインとのかかわりについて少々ふれると、視床下部より分泌されるCRHは、サイトカインの一種インターロイキン(IL-1、6)によって促進される。また、このサイトカインは、下垂体および副腎に作用して、ACTHやコチゾールの分泌を促進させるという。

また、副腎皮質より分泌されるステロイドホルモン(グルココルチコイド)は、外部より投与しても消炎作用を有するとともに、免疫系の抑制作用を示すことがよく知られている。ステロイドホルモンは、マクロファージからのIL-1分泌抑制、Bリンパ球での抗体産生およびnatural killer(NK)細胞活性の抑制機構に関係している。また、エストロゲンなどの性ホルモンは、リンパ球増殖を抑制し、またマクロファージからのTNF、IL-1産生を抑制するという。

2)免疫系に及ぼすニコチンの影響

1.サイトカインと視床下部・下垂体・副腎皮質系に及ぼす影響

前記したように近年、生体の免疫系と脳内神経-内分泌系の関係がしだいに明らかになっている。脳神経・内分泌系に影響しているものにサイトカインがあり、その一つのIL-1は中枢性に作用して、睡眠誘発、発熱、摂食抑制作用を示し、副腎皮質刺激ホルモンおよび同ホルモン放出因子の分泌亢進などにも関与しているという。

小牧ら51)は、IL-1βの血中ACTHの分泌作用に対するニコチンの作用を詳細に検討した結果、ニコチンの反復投与はdesensitizationを起こし、IL-1βによるACTH上昇を抑制させることを確認している。さらに、この作用はメカミルアミンで抑制されることより、血中IL-1βによるACTH分泌に対するニコチンの抑制作用には、ニコチン受容体が関係していることを明らかにしている。また中尾ら52)は、ニコチンの慢性的投与ラットで、IL-1β投与後のACTH、コルチコトロピン反応が低下していることをみている。

2.サイトカインと交感神経・副腎髄質系に及ぼす影響

大隅ら53)は、IL-1βの脳室内投与により、血圧および血漿中ノルアドレナリン値の上昇をみている。この血漿中ノルアドレナリン上昇はインドメタシンの脳室内投与で拮抗されることより、IL-1βの作用発現には脳内プロスタグランジン(PG)の関与を、また脳内プロスタグランジンE2が同様な血漿ノルアドレナリン上昇を示すことより、その作用にはプロスタグランジンE2の関与を示唆している。すなわち、IL-2の交感神経-副腎髄質系に及ぼす影響では、脳内プロスタグランジンE2の合成を介して中枢性に交感神経系を賦活している可能性を推測している。現在、この機構における脳内ニコチン受容体の関与の可能性が検討されている。一方、これらの系に対してニコチンは脳室内投与で血漿中ノルアドレナリンおよびアドレナリン上昇を起こすことが観察されている。これらのことより、ニコチンは脳内ニコチン受容体を介してIL-1βの作用により、交感神経系を賦活していると考えられる。

3.免疫担当細胞に及ぼす影響

免疫学的な監視細胞として、リンパ球、特にnatural killer(NK)細胞、キラーT細胞、自己腫瘍傷害キラー細胞およびマクロファージ細胞などがあげられ、さらにこれら細胞間やほかの免疫細胞間の相互作用を調節するサイトカインが知られている。NKおよびlarge granular(LGL)細胞は、特殊に分化したりンパ球であり、大型顆粒でT細胞と共通なマーカーをもっている。さらに、この両細胞は腫瘍細胞を傷害し、ウイルス感染細胞を破壊することが知られている。また、免疫担当細胞、ことにB細胞の分化を調節するなどして、生体防御にあたっているという。森ら54)は、喫煙者における胃の粘膜内のNKおよびLGL細胞について検討しているが、喫煙は胃粘膜内のNK/LGL細胞数に影響を与えず、また同細胞数は胃粘膜萎縮の程度に相関しないとしている。また、喫煙歴のある慢性副鼻腔炎患者において、一義的にはT細胞が関与するが、病状の遷延化によりB細胞が関与している可能性を、また声帯ポリプにおいては、T、Bリンパ球の関与よりもNK細胞の関与の可能性がより強いことを示唆している55)

一方、竹田ら56)はヒトの末梢由来の単核細胞でサイトカインの産生と細胞増殖を詳細に調べているが、ニコチンはTNFの産生を促進せず、高濃度で逆に抑制するという。また、ニコチンはヒト骨髄性白血病細胞の増殖を抑制するが、これらの細胞を成熟マクロファージや好中球へは分化誘導しなかったという。一方、高濃度のニコチンはこれら細胞のDNAの断片化を誘導した。しかし、末梢由来の単核球や多形核白血球のDNAおよびほかの培養細胞のDNAの断片化は誘導しないという。また、この断片化は、アスコルビン酸によっても抑制されない。これらのことより、ニコチンは培養ヒト単核球においてTNFの産生を促進しないこと、さらに、ある種の癌化した細胞の細胞死を誘導することが明らかとなった。

星野ら57)は、喫煙と発癌の関係より、喫煙によって惹起される免疫担当細胞の変化を探求している。その結果、喫煙者において、非喫煙者に比し、血液リンパ球のNK活性の低下傾向を、また白血球数の増加を観察している。また、喫煙量と過去の喫煙年数はNK活性の低下と逆相関の傾向にあり、喫煙により自然抵抗の減弱が誘導されることを示唆している。さらに、肺癌患者の転移性胸膜炎胸水の検査より、NKおよび自己腫瘍細胞障害(ATK)活性はマクロファージからの抑制を受けている事実を明らかにしている。これらの細胞は、IL-1、IL-2、CSFなどのサイトカインで調節されているという。一方、たばこのタール成分による免疫細胞への影響では、細胞の増殖と分化に最も強い傷害を示し、細胞形質の変化はやや軽度であるという。NK細胞およびATK細胞では、IFN、IL-2などの投与によりタール成分による影響を軽減させることができるので、喫煙による免疫系の機能障害も何らかの医学的処置により軽減しうる可能性がある。今後の研究発展が望まれる。

血管組織とニコチンの作用

最近、血管の内皮細胞から種々の生体調節物質が分泌され、血管収縮・弛緩因子として、さらに細胞増殖因子、血小板活性化因子、または接着因子として働いていることなどが明らかになってきた。服部ら25)-27)は、従来からの研究により、神経興奮時にノルアドレナリン遊離に伴って endothelium-derived relaxing factor(EDRF)/一酸化窒素(NO)およびATPなどプリン関連物質が放出され、自律神経機能の伝達および平滑筋の収縮機能に抑制的にかかわっていることを明らかにしている。また、プリン関連物質のATPおよびアデノシンは、内皮細胞に作用して生理活性物質を直接分泌させていること、また血液中のリンパ球などの免疫担当細胞の遊走や付着に関係していることも、ほかの研究者によって明らかにされている28)

服部ら58)は、この神経・血管・血管内皮連関において、ストレス刺激に対する応答とニコチンの影響をラットを用いて検討している。それによると、交感神経の興奮に運動した血管内皮細胞からのプリン関連物質の遊離は、水侵拘束ストレス負荷およびニコチン投与により減弱され、さらに神経終末からのノルアドレナリン遊離量とプリン関連物質の遊離量との相関性は高いという。これらのことから、交感神経終末の神経伝達物質の遊離機構に対して、ストレスおよびニコチンがプリン関連物質を介して抑制的に影響していると考えられる。今後、ニコチンの胃微小循環に対する影響を含めて、この分野の研究の進展が期待される。

一方、動脈硬化の発症原因および防御においては、神経・内分泌・免疫系が複雑に絡みあい、その詳細は不明な点が多い。東ら59)は、兎の総頸動脈内皮細胞を反復剥離することにより内膜肥厚動物を作製し、その病態を詳細に検討している。その結果、再生および再々生内皮細胞でのEDRF/NOの産生および遊離能は減弱していることを確認している。すなわち、内皮細胞のEDRF/NOの産生・遊離能が低ければ低いほど、内膜肥厚は進行するという。今後の課題として、これら病変に対して喫煙・ニコチンがどのような影響を示すのか興味がもたれる。

喫煙とビタミンC

ビタミンC(アスコルビン酸)は細胞内の重要な物質代謝に関係している。その生理作用としてコラーゲンの生成・維持、神経生体アミンの合成などにかかわっている。また副腎皮質には多量に含まれ、下垂体ホルモンACTH分泌によって皮質よりコルチコイドが分泌されるとき、アスコルビン酸の減少が認められる。一方、体外からの異物に対する解毒機構にも関係しているといわれている。その欠乏症として、古くから壊血病が知られている。

一方、疫学調査より、喫煙者は非喫煙者にくらべて血液中アスコルビン酸濃度が低く、体内のアスコルビン酸代謝速度もかなり速いことがいわれている。倉田ら60)は、受動喫煙下のラットにおいて、アスコルビン酸の尿中排泄量、血漿中および臓器中濃度を調べ、アスコルビン酸の上昇を認めたことから、喫煙によるアスコルビン酸合成能の促進を示唆している。ヒトでは、肝臓における薬物代謝酵素の活性上昇のことも考えると、喫煙時には生体のアスコルビン酸要求量が増加していると推測されている。

おわりに

上記したように、生体はストレスに対して、生命維持のため神経系機能とともに内分泌系機能で対応している。すなわち生体維持のために、大脳皮質・視床下部・下垂体・副腎皮質系、ならびに自律神経系、特に交感神経・副腎髄質系が重要な働きをしている。さらに最近では、これらの神経・内分泌系機能に加えて、免疫系が密接に関係し、生体防御にあたっていることがわかってきた。

一方、喫煙は種々の生体機能に影響を及ぼし、特にたばこ煙の主要成分であるニコチンは、中枢神経系をはじめ内分泌系に影響を及ぼし、さらに免疫系機構にも影響を及ぼすことがわかってきた。本稿では、たばこ煙およびニコチンが、神経・内分泌・免疫系を含む生体防御機構にどのような影響を与えているのかを中心に記してきたが、神経・内分泌・免疫系の相互関係は十分解明されていないのが現状かもしれない。しかしながら、ニコチンは生理活性物質アセチルコリンのニコチン感受性受容体に関係していることより、生体反応とのかかわりは大である。有名なCloude Bernardの矢毒クラーレの薬理学的研究が、当時運動神経筋接合部の生理機構の解明にたいへん貢献したことを考えると、生体機能と密接にかかわるニコチンの薬理学的研究は、生体のさらなる生理機構の解明につながるものと思われ、この神経・内分泌・免疫系の分野での研究発展が期待される。

*1岡山大学医学部附属病院薬剤部

文献

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28) Gordon,J.L. Extracellular ATP: Effects, sources and fate. Biochem. J. 233:309-319,1986.


研究年報

29) 三輪聡一、白木琢磨、小林茂夫 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-エンドセリン及びNOを介した情報伝達とこれに及ぼすニコチンの影響-. 平成6年度喫煙科学研究財団研究年報:572-577.
30) 東  洋 脳内のニコチンレセプタ-分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ニコチンの脳血流・代謝に及ぼす影響-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:541-544.
31) 佐々木英忠、矢内 勝、関沢清久ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-喫煙と痴呆に関する研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:476-473.
32) 佐々木英忠、目黒謙一、山口 智ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-喫煙と痴呆に関する研究-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:633-637.
33) 安東 潔、宮田久胴、津田敏治 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ラットにおける脳内ニコチンレセプターとニコチンの弁別効果-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:498-506.
34) 安東 潔、宮田久嗣、広中直行ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ラットにおける脳内ニコチンレセプターとニコチンの弁別効果-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:515-523.
35) 安東 潔、宮田久嗣、広中直行ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ラットにおける脳内ニコチンレセブターとニコチンの弁別効果-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:614-618.
36) 藤原元始、三輪聡一、李  憲ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ポジトロンエミショントモグラフィ及び脳透析法を用いた神経伝達および受容機構の研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:487-492.
37) 成宮 周、三輪聡一、越村邦夫 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ポジトロンエミショントモグラフィ及び脳透析法を用いた神経伝達および受容機構の研究-.平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:538-544.
38) 成宮 周、三輪聡一、越村邦夫 脳内のニコチンレセプター分布.血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-ポジトロンエミショントモグラフィ及び脳透析法を用いた神経伝達および受容機構の研究-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:509-515.
39) 中村慎一、五嶋良郎、久保孝夫ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-脳内ニコチンレセプターとドパミン作動性神経伝達とその相関に関する研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:493-497.
40) 中村慎一、五嶋良郎、久保孝夫ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-脳内ニコチンレセプターとドパミン作動性神経伝達とその相関に関する研究-. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:555-559.
41) 五嶋良郎、宮前丈明、楽 金良ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-脳内ニコチンレセプターとドパミン作動性神経伝達とその相関に関する研究-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:619-625.
42) 三須良實、植田弘師、五嶋良郎ほか 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-情動とLドーパ-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:598-606.
43) 古平国泰、三川秀文、藤代健太郎ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-喫煙の頸動脈および脳動脈血流に及ぼす影響に関する研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:526-532.
44) 近藤秀樹、角 達彦、森岡千佳子ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-喫煙の脳内血流に及ぼす影響に関する研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:522-525.
45) 佐藤昭夫、堀田晴美、鈴木敦子ほか 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-ニコチン受容体刺激の大脳皮質血流に及ぼす影響の解析-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:612-614.
46) 井村裕夫、島津 章、田濃 勉ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-脳内ニコチンレセプターと神経伝達物質に関する研究-. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:481-486.
47) 井村裕夫、島津 章、田濃 勉ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-脳内ニコチンレセプターと神経伝達物質に関する研究-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:597-601.
48) 大隅義継、長田充宏、横谷邦彦ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-とくに脳内ニコチンレセプタ-分布と胃機能との関連について-. 平成2年度一喫煙科学研究財団研究年報:560-566.
49) 大隅義継、長田充宏、横谷邦彦ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-とくに脳内ニコチンレセプター分布と胃機能との関連について-. 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:529-536.
50) 大隅義継、長田充宏、横谷邦彦ほか 脳内のニコチンレセプター分布、血流、酸素消費等代謝活性状態に関する研究-とくに脳内ニコチンレセプター分布と胃機能との関連について-. 平成4年度喫煙科学研究財団研究年報:627-632.
51) 小牧 元、玉井 一、松林伸行 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響 平成3年度喫煙科学研究財団研究年報:607-611.
52) 中尾一和、深田順一 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:570-571.
53) 大隅義継、長田充宏、横谷邦彦ほか 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-特に交感神経-副腎髄質系の中枢ペプチド性調節機構との関連-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:565-569.
54) 森 茂郎、若林とも NK/LGL細胞による生体防御機構に対する喫煙の影響-1.胃粘膜について-. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:214-218.
55) 森 茂郎、菅原 勇、山ロ宏也 NK/LGL細胞による生体防御機構に対する喫煙の影響. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:399-404.
56) 竹田 稔、高山昭三、武田 健ほか 喫煙とサイトカインの発現. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:319-323.
57) 星野 孝、高田伸弘、伊保澄子ほか 免疫調節機構に及ぼす喫煙の影響(第五報)Tリンパ球抑制機序とその緩和. 昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:219-227.
58) 服部圭佑、篠塚和正、小林裕太ほか 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-神経・血管・血管内皮連関のストレス応答に対するニコチンの影響-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:579-585.
59) 東  洋、濱嵜秀久、新見康成ほか 喫煙及びニコチンの神経・免疫・内分泌軸への影響-女性ホルモン環境の変化に伴う肥厚性血管病変の成因とその修飾-. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:552-564.
60) 倉田忠男、林 水紀、鈴木恵美子 喫煙におけるビタミンCの生体防御効果-受動喫煙のアスコルビン酸および薬物代謝に及ぼす影響-. 平成5度喫煙科学研究財団研究年報:458-463.