喫煙と循環器疾患

泰江弘文*1

はじめに

循環器疾患のなかでも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(冠動脈疾患)は欧米においては死因の第一位を占め、わが国においても第二次世界大戦後の経済の発展、それに伴う食習慣の欧米化、車を中心とする交通機関の発達などのための運動不足、それに伴う肥満や糖尿病、社会の複雑化よるストレスの増大などにより、増加の傾向をたどり、現在は癌についで死因の第二位を占めるに至っている1)。さらに、急速に進む人口の高齢化により、その出現頻度は衰えることはないと思われる。虚血性心疾患とは、心筋が代謝に必要なだけの血液を受け取ることができずに酸素不足に陥り、心機能が障害される疾患のことである2)。循環器疾患のなかでも罹患率および死因の大部分を占めるのは、心筋表面を走行する比較的太い冠動脈が動脈硬化に陥ったために生ずる狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患(冠動脈疾患)である。動脈硬化は年令とともに進行するので、虚血性心疾患の発生頻度は人口の高齢化が進むに連れて一層増加すると思われる。

喫煙と動脈硬化

動脈硬化は、血液の循環に必要な動脈が硬化に陥った状態であり、種々の循環器疾患を引き起こす。10代に始まり年令とともに進行し、中高年にいたって臨床症状が現われてくる慢性で進行性の疾患である3)。その原因は十分には解明されていないが、冠動脈や脳動脈などの中等度以上の太さの動脈に出現する動脈硬化は、粥状動脈硬化atherosclerosisと呼ばれており単に 動脈硬化といえば通常はこれを指している。動脈硬化を促進するいくつかの因子は疫学的、臨床的に知られており、これらは動脈硬化の危険因子と呼ばれ、そのおもなものは年令、男性、高脂血症、喫煙、高血圧、糖尿病、肥満、運動不足、ストレスなどであるが、これらは生活習慣と密接な関係がある。虚血性心疾患が習慣病と呼ばれるゆえんである。これらのうち除去ないし制御が可能で最も重要なのは喫煙である。たばこの本数が多いほど、また喫煙の期間が長いほど動脈硬化疾患の危険は増大し、喫煙と他の危険因子が共存すると動脈硬化疾患の危険度はさらに増加する(図-14)5)。喫煙は高年者においてよりも若年者においてより強く動脈硬化を促進することが知られている6)

喫煙がいかなる機序で動脈硬化を促進するかを理解するためには、動脈硬化について理解する必要がある。動脈硬化の発生には内皮の傷害が必須であるが7)、内皮は種々の物質に対する高度に選択的なバリアをなしており、血栓形成を防ぎ、代謝活性が高く、種々の血管作動物質や凝固・線溶系作動物質を産生する7)8)。このなかには血管を拡張させ、血小板の凝集を抑制するプロスタサイクリンや一酸化窒素などが含まれる。内皮に傷害が起こるとマクロファージの内皮下への侵入が起こり、これは血液からのコレステロールを取り込んで空泡細胞となる。これらは黄色を呈し、脂肪線と呼ばれ、動脈硬化の初期像である。ついで平滑筋の増殖が起こり、これらの平滑筋もコレテロールを取り込むと同時に種々の結合組織成分を分泌する。内皮が傷害されると血小板の粘着・凝集が起こり、さらには血栓も形成されるが、血小板はPDGF等の成長因子を放出して平滑筋や結合組織などの増殖を促進する。これらが進行すると内膜は肥厚し血管内腔に突出してくる。これが線維斑または粥腫と呼ばれるものであり、これはさらに進むと粥腫内に出血したり、または粥腫が破れたりして、いわゆる複雑病変をつくることになる9)。これらの病変とは対照的に、内膜が求心性に肥厚し、血管内腔にはほとんど変化が見られない病変もあり、これはび慢性内膜肥厚と呼ばれているが、その発生機序ならびに病的意義は解明されていない10)

このような動脈硬化の発生ならびに進行に対して、喫煙はどのような機序で作用するのであろうか。喫煙はつぎのような種々の機序により動脈硬化を促進すると考えられる。

喫煙は血清脂質に対して悪い影響を及ぼすことが知られている。喫煙者は非喫煙者にくらべて血清HDLコレステロールが低く、LDLコレステロールと中性脂肪が高い11)。このような血清脂質パターンは動脈硬化を促進することがよく知られている。

喫煙は急性効果としてニコチンを介して交感神経系を刺激し、交感神経末端および副腎髄質からそれぞれノルエピネフリンおよびエピネフリンの分泌を亢進させ、血圧および心拍数を上昇させる12,22)。疫学的研究からは、喫煙者は非喫煙者よりも血圧は低い傾向にあることが示されているが、これはおそらく喫煙者は体重が低いためであろうといわれている13)

喫煙はまた凝固因子や血小板機能、および他の血液成分にも影響を及ぼす。血液の凝固に重要な働きをするフィブリノーゲンは喫煙者では増加していることが明らかにされており、フィブリノーゲンの増加は冠動脈硬化を促進する重要な因子の一つである。禁煙することによりフィブリノーゲン値は正常域まで低下してくる。喫煙は血小板の粘着および凝集を高め、血栓を形成しやすくするが、これらは動脈硬化を促進するのみならず狭心症や心筋梗塞の直接の原因あるいは引き金となる。喫煙は、さらに直接血管内皮を傷害して動脈硬化を促進させる。

喫煙と虚血性心疾患

1)虚血性心疾患の病態

虚血性心疾患は心筋の虚血、つまり酸素欠乏によって発生するのであるが、心筋の酸素欠乏は心筋の酸素需要に対して供給が追いつかないために生ずる。したがって心筋の酸素欠乏は心筋の酸素需要が増加するか、供給が減少するか、あるいはこの両方の機序の組み合わせによって生ずる。厳密な意味では虚血と酸素欠乏とは同一ではない。虚血は酸素欠乏と同時に灌流低下による代謝産物の蓄積を伴うが、酸素欠乏は灌流が十分でも出現しうる。

図-2は、心筋における酸素の需要と供給を規定する種々の因子と虚血の結果として生ずる種々の病的状態を示したものである。心筋の酸素需要を規定する主要な因子は心筋収縮力、心拍数、および収縮期の心室壁張力(後負荷)であるが、収縮期の心室壁の張力(後負荷)は心室容積と収縮期血圧との積で表わされるので(図-2の左上)、臨床的には心拍数(heart rate)と収縮期血圧(pressure)の積がrate-pressure productまたはdouble productと呼ばれて心筋酸素需要の指標として用いられている。

一方、心筋への酸素の供給を司っているのが冠循環であり、心筋への酸素の供給は冠動静脈の酸素含有量の較差と冠血流量との積で表わされるが(図-2の右上)、心筋は他の器官と異なり酸素摂取率がきわめて高く、冠循環においては動静脈の酸素含有量の較差は安静時において最大近くに保たれており、心筋への酸素の供給は実際上は冠血流量によって支配されている。冠循環のもう一つの大きな特徴は、心筋が収縮と弛緩を繰り返しているために収縮期には心筋内の血管が圧縮されて冠血流は主として拡張期に起こることである。このことは、収縮期圧の高い左心室の心内膜下層において特にそうである。そのうえ、心内膜下層は心外膜下層にくらべて酸素の需要も高いので虚血に陥りやすく、したがって心筋虚血は心内膜下層から始まる。

1.冠血流(心筋への酸素供給)の減少

冠血流量の減少をきたす原因のほとんどは、心筋表面を走行する太い冠動脈の動脈硬化による器質的狭窄である。正常では導管conductance vesselとしての役割を果たすに過ぎない太い冠動脈は、粥状動脈硬化atherosclerosisの好発部位であり、その内径に狭窄が起こると安静時においても冠血流量が減少するといわれている。動脈硬化のほかに、稀ではあるが塞栓、大動脈炎、川崎病、梅毒性冠動脈狭窄および先天性奇形なども冠血流量の減少の原因となる。さらに大動脈弁閉鎖不全症やショックなどによる拡張期圧の低下、頻脈などによる拡張期の短縮が冠血流量を減少させる。また太い冠動脈の機能的狭窄、すなわち攣縮(スパズム)が冠血流量を急激に減少させる。さらに、冠動脈内の血栓は冠動脈を閉塞し急性心筋梗塞や不安定狭心症の原因となる。

2.心筋の酸素需要の増加

心筋の酸素需要の増加をきたす原因としては、身体的労作、血圧上昇、心筋肥大、甲状腺機能亢進症などがある。

3.動脈血の酸素輸送能の低下

貧血、呼吸機能障害、一酸化炭素中毒、冠動静脈瘻などが存在するときには、動脈血の酸素輸送機能が低下する。臨床的にはこれらの因子が単独で心筋虚血をきたすことはむしろ少なく、ほとんどが冠動脈硬化の基盤の上に、いくつかの因子が重なって発生する

2)虚血性心疾患の分類

虚血性心疾患は狭心症、無痛性心筋虚血、心筋梗塞、虚血性心筋症、不整脈などに分けられるが、これらはさらにいろいろな立場から分類されている。

3)喫煙と狭心症

狭心症とは心筋が一過性に虚血、つまり酸素欠乏に陥ったために生ずる胸部ならびにその近接部の特有な不快感(狭心痛)を主症状とする臨床症候群である。心筋の酸素欠乏は心筋の酸素需要に対して供給が追いつかなくて発生する。

心筋の虚血をきたすほとんどの原因は、主として心筋表面を走行する冠動脈が動脈硬化に陥るために内腔が器質的あるいは機能的に狭窄ないしは閉塞をきたして冠血流量が減少することである。冠動脈に器質的狭窄が存在しても、通常はそれのみでは狭心症は発生せず、これに心筋酸素需要の増加が加わり心筋内の血流分布異常が起こったり、冠動脈が機能的閉塞ないし狭窄、すなわち攣縮に陥るために心筋への酸素の供給が急激に減少して狭心症は発生する。

狭心症は、発生機序から、冠動脈に広範かつ高度の器質的狭窄が存在するために労作によって生ずる心筋の酸素需要の増加が原因となって発生する器質性狭心症(安定労作狭心症)と、冠動脈の攣縮のために心筋への酸素の供給が急激に減少して発生する冠攣縮性狭心症、および一過性の冠動脈内血栓形成のために生ずる冠血栓性狭心症とに分類される。後二者は不安定狭心症に相当する。

欧米においては、冠動脈に広範かつ高度の器質的狭作が存在するために労作によって生ずる心筋の酸素需要の増加に対して供給が追いつかずに発生する狭心症(器質性狭心症)が多いようであるが、わが国においては太い冠動脈の攣縮が原因で生ずる狭心症(冠攣縮性狭心症)が比較的多い。以上のほかに稀ではあるが冠動脈造影像上、攣縮を含めて異常が認められない狭心症があり、冠動脈造影法では描出されない細小動脈の器質的あるいは機能的異常がその原因と考えられる。正常ではこれらの因子の適切な働きによって、心筋における酸素の需要と供給の均衡は保たれているが、この均衡が破れると心筋は虚血に陥り、その結果としてつぎに示されるような種々の病的状態が出現する。

心筋虚血の結果として出現する自覚症状が狭心痛である。しかしながら、注意すべきことは、心筋が虚血に陥っても自覚症状が出現するとは限らないということである。日常生活においては、自覚症状を伴わない虚血発作、すなわち無症候性心筋虚血の頻度がむしろ多く、狭心痛を伴う発作に比し2倍以上である。心筋が虚血に陥ると細胞の電気生理学的性質にも異常をきたし、心電図上、虚血性変化(STの上昇または低下)や不整脈などが出現する。心筋の虚血に対して最も鋭敏に反応するのは虚血に陥った心筋部位の壁運動(収縮及び拡張能)の異常であり、これは心電図の変化や自覚症状よりも早く出現する。この範囲が広範に及ぶと左室拡張末期圧の上昇、さらには肺うっ血、駆出率の低下、さらには心拍出量の減少まできたす。心筋は酸素と主として脂肪酸を基質としてエネルギー源であるATPを産生しているが、酸素欠乏に陥ると嫌気性代謝経路を用いざるをえなくなり、そのため乳酸や H、Kなどの代謝産物が蓄積してくる。

1.喫煙の急性効果

たばこの煙には4,000以上の成分が含まれており、ガス状成分と粒子状成分の二つに分けられる。ガス状成分には一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、酸化窒素(NO)、アンモニアなどが含まれる。粒子状成分にはニコチン、水、タールなどが含まれる。さて、このような成分を含むたばこの喫煙は全身血行動態ならびに冠循環に対してどのような影響を及ぼすのであろうか。筆者らがピース2本喫煙前後で調べたところによると、喫煙により心拍数および血圧は上昇し、したがってrate-pressure product を増加して心筋の酸素需要は増加すると考えられた(図-323)24)。一方、心筋への酸素の供給を司る冠血流量の指標となる冠静脈洞血流量は、2/3の症例においては不変ないしむしろ減少した。心筋の酸素の需要が増加すれば、それに見合うだけの酸素の供給が増加しなければ心筋は酸素欠乏、つまり虚血に陥るはずである。このことは喫煙により、心筋虚血の指標である心筋での乳酸摂取率の陰性化をきたした狭心症例もあったことから裏づけられた。このことから喫煙は狭心症、特に器質性狭心症に対して悪影響を与える可能性がある。実際、器質性(安定労作)狭心症および陳旧性心筋梗塞の症例において、トレッドミル運動負荷試験を行って調べてみると、喫煙後では喫煙前に比し発作が出現するまでの運動時間が短縮し、運動耐容能を低下させた。これは特に冠動脈の器質的狭窄が高度な症例において顕著であった。しかも喫煙前には10例においてのみ狭心発作が誘発されたに過ぎなかったが、喫煙後は15例において発作が誘発された。しかしながら、このような症例においても最大運動負荷時のrate-pressure productは喫煙後には喫煙前に比し有意に低下していた。心筋の酸素需要の増加のみが運動耐容能を規定するのであれば、最大運動負荷時rate-pressure product は一定のはずであるが、これも喫煙時に低下したということは、喫煙により心筋への酸素の需要も減少したことを意味する。稲田25)らも同様の結果を報告している。

一方、冠攣縮性狭心症に対して喫煙はどのような影響を及ぼすのであろうか。筆者らは、冠攣縮性狭心症の典型例である異型狭心症例および器質性狭心症や陳旧性心筋梗塞例において、喫煙の前後において太い冠動脈がどのように変化するかを冠動脈造影法を用いて調べた。冠動脈はいずれの部位においても喫煙後は喫煙前に比し有意に縮小・収縮した。しかも冠攣縮を起こす冠動脈は、そうでない冠動脈よりもより過敏に喫煙により収縮しやすい。しかしながら異型狭心症患者においても、実際に喫煙により心筋の虚血にまで至る冠動脈の過収縮すなわち攣縮まで惹起される症例は少なく、9例中1例のみであった。したがって、喫煙は冠動脈の攣縮を誘発する可能性を有してはいるが、その作用はアセチルコリンやエルゴノヴィンに比しはるかに弱いと考えられる26)27)

筆者らは、喫煙がいかなる機序を介して上記のような作用をきたすかをさらに検討するために、喫煙前後で交感神経活動の指標としての血奬カテコールアミン濃度、また血小板機能の指標として全血凝集能の変化を調べた。カテコールアミンに関しては喫煙後エピネフリン濃度は有意に増加したが、ノルエピネフリン濃度は増加傾向を示したものの有意の変化とはいえなかった。これまでの報告ではエピネフリンは増加するとされているが、ノルエピネフリンに関しては有意に増加するとする報告もあり、増加傾向とするものもある。一方、血小板凝集能に及ぼす喫煙の効果に関しては、これまで亢進するとの報告もあり、そうでないとの報告もある。この差が何に基づくかは不明であるが、凝集能の測定法や対象の相違が関係している可能性がある。以前の報告はplatelet rich plasma(PRP)を用いて測定されているが、筆者らの研究では全血を用いており、手技的により単純で血小板を分離する必要がないため、結果はより生体内での凝集能を反映すると考えられる。この研究の結果から、喫煙により血小板の凝集能が亢進することが示された27)

以上のことから、喫煙は急性効果として交感神経系を刺激して、交感神経末梢ならびに副腎髄質から、ノルアドレナリンおよびアドレナリンなどのカテコールアミンを分泌させる。カテコールアミンは心拍数ならびに血圧を上昇させ、またα受容体を介して冠動脈を収縮させる。さらに特にエピネフリンは血小板を凝集させる。したがって喫煙は冠動脈に高度の器質的狭窄が存在すれば心拍数や血圧の上昇を介して心筋の酸素需要を増加させると同時に、血小板の凝集亢進・血栓形成により、狭窄部をさらに狭小化、または閉塞して心筋虚血を惹起する可能性がある。またα受容体刺激作用に加えて、活性化された血小板よりトロンボキサンA2やセロトニンなどの種々の血管収縮因子が放出されるので、これが冠動脈の収縮に拍車をかける可能性がある。冠攣縮性狭心症の場合には、この因子の関与が大であると考えられるが、これがさらに進むと急性心筋梗塞にまで至る可能性があり、実際喫煙後に急性心筋梗塞に陥った症例も稀ではない。

これらの喫煙の急性効果はたばこ煙のどの成分によるものであろうか。すでに述べたごとく、たばこの煙には4,000以上の成分が含まれており、これらの物質は薬物作用、中毒作用、発癌性を含めた種々の作用を有する可能性がある。しかしながら、たばこ煙に含まれる成分の数が多いことと、これら成分の相互作用も考えられることから、たばこのどの成分によるどのような作用によるかを決めることはたいへん困難である。しかしながら、ニコチンは交感神経系を刺激してカテコールアミンを分泌し化学受容体を刺激することが知られており、喫煙の交感神経系刺激作用は主としてニコチンの作用によると思われる。喫煙はまた代謝に対しても種々の作用を有し、遊離脂肪酸を増加させ、成長ホルモン、コルチゾール、バゾプレッシン、血糖などを増加させることにより血行動態に影響を及ぼす。たばこ煙に含まれる一酸化炭素はへモグロビン、ミオグロビンおよびチトクローム酸化酵素などのヘム蛋白に結合して、心血管系に対する作用を有する。喫煙者は非喫煙者に比し、平均して5倍の血中一酸化ヘモグロビン濃度を有する。したがって、酸素の輸送に使われるヘモグロビン量は減少し、酸素ヘモグロビン解離曲線は左方移動して組織レべルでの酸素の放出は障害され、心筋への酸素の供給は減少する。

 以上のようなことから、喫煙はその急性効果により狭心症を増悪することが明らかである。

2.喫煙の慢性効果

すでに述べたごとく狭心症の大部分は、心筋の表面を走行する太い冠動脈が動脈硬化に陥り、内腔が狭小化したために生ずる。喫煙は動脈硬化を促進することにより心筋虚血の発生に大きく関与すると考えられるが、その詳細な機序に関しては不明な点が少なくない。動脈硬化の発生には内皮の傷害が必須とされているので、喫煙は内皮を傷害することにより動脈硬化を促進すると考えられる。浅野ら28)は、兎で高コレステロール食を投与した群とたばこの煙を吸入させた群を比較し、高コレステロール群では泡沫細胞を中心とした粥状硬化巣が発生したが、喫煙群では泡沫細胞のない硬化巣が発生したと報告している。すでに述べたごとく、喫煙が他の動脈硬化の危険因子と共存すると動脈硬化の発生は倍加されることから、喫煙はそれのみで独自の機序により動脈硬化を促進する可能性がある。同時に脂質や血小板に対する影響によっても、動脈硬化の発生に関与すると思われる。冠動脈硬化が進行して内腔の狭窄が高度になると、労作により心筋の酸素需要が増加した場合、酸素の供給が追いつかずに酸素不足に陥り、心筋の虚血発作つまり狭心症が発生する。これが器質性狭心症つまり安定労作狭心症である。したがって喫煙は、急性効果のみならず慢性効果を介しても、器質性狭心症の発生を促進する。

冠攣縮性狭心症と喫煙との関連はどうであろうか。筆者らの研究では、冠攣縮性狭心症の典型例である異型狭心症71例中59例(83%)が喫煙者であったのに対し、器質性狭心症では86例中49例(57%)が喫煙者であり、冠攣縮性狭心症患者において器質性狭心症患者にくらべて喫煙者が有意差をもって多かった27)。児玉ら29)は、多変量解析法を用いて喫煙は冠攣縮の危険因子であると報告しているが、同様の報告がいくつか見られ、喫煙が冠攣縮の病因と深く関係していることは間違いないと思われる。一方、高コレステロール血症は冠攣縮とは関係がないとする報告が多い。杉石ら14)によると、冠動脈に器質的狭窄のない冠攣縮性狭心症患者では喫煙が唯一の危険因子であった。筆者らは、異型狭心症患者245例を対象として10年間追跡調査を行い、追跡期間における喫煙の有無の生存率に及ぼす影響を調べた30)図-4はその結果を示すが、追跡期間中に喫煙者の1年、3年、5年および10年の生存率は、それぞれ99%、96%、96%および86%であったのに対し、非喫煙者のそれは、それぞれ99%、99%、99%および99%であり、喫煙者は非喫煙者に比し有意に生存率が低かった。しかしながら、追跡期間前の喫煙の有無は生存率とは有意の関連をもたなかった。このことは、冠攣縮性狭心症患者において喫煙の習慣をやめると生存率を改善することを意味し、患者の生活指導に有用な指針を提供する。

喫煙がいかなる機序により冠攣縮性狭心症患者の長期予後に影響を及ぼすかを明かにするためには、さらに多くの研究を要すると思われる。可能性のあるものは、動脈硬化を促進することのほかに、たばこの成分が冠動脈の内皮を傷害して冠攣縮を惹起しやすくすることである。動脈内皮からは一酸化窒素やプロスタサイクリンなどが分泌されて血管を拡張するとともに血小板の凝集を抑制するが、喫煙はこれらの物質の生成を阻害し血管を収縮しやすくすることが考えられる。筆者らは、たばこ主流煙により冠動脈が内皮依存性の収縮反応と、それに続く内皮非依存性の弛緩反応を示すことを見出した15)31)。この収縮反応は、フリーラジカルの消去剤であるSODの前処置により抑制されること、さらにたばこ煙にはフリーラジカルが存在することを明らかにした。以上から、たばこ煙にはフリーラジカルが存在して血管内皮より放出される一酸化窒素を破壊することが考えられた。しかしながら、たばこ煙中のフリーラジカルが実際に人の喫煙時に冠動脈を収縮させるか否かは不明である。たばこ煙中には一酸化炭素も含まれており、これが一酸化窒素の生成酵素であるNOSの働きを阻害する可能性があり、この方面の研究の発展が望まれる。

一方、ニコチンが一酸化窒素の放出を抑制するとの報告もあり、喫煙が一酸化窒素の放出抑制を通じて冠動脈を収縮する機序は複雑であると考えられる。喫煙は同じく血管内皮から生成される血管拡張物質であるプロスタサイクリンの生成をも阻害することが知られている32)。その機序の詳細は不明であるが、プロスタサイクリンの生成にはシクロオキシゲナーゼの働きが必要であり、シクロオキシゲナーゼはNOS と同じくヘム蛋白であるので、たばこ煙の一酸化炭素や酸化窒素によりその活性が阻害されるものと思われる。

冠攣縮性狭心症患者は圧倒的に中年以降の男性に多く、閉経前の女性にはきわめて少ない。その理由は不明であるが、女性ホルモン、なかでもエストロゲンが関与すると思われる。最近はエストロゲンは一酸化窒素の生成を亢進することが明かにされ、しかも喫煙がエストロゲンの分解を促進し、その血中濃度を低下させることが報告されている。さらに喫煙は閉経期の出現を早めることが知られている。

4)喫煙と心筋梗塞

心筋梗塞とは、心筋が遷延した虚血のために不可逆性の傷害つまり壊死に陥ったことを意味する。遷延した虚血の原因としては、心筋表面を走行する冠動脈の血栓による閉塞と考えられてきたが、この考えは幾多の紆余曲折を経たのち近年、心筋梗塞の早期に冠動脈造影法を行ってみると梗塞責任冠動脈はほとんどが閉塞しており、しかも血栓溶解剤を梗塞責任冠動脈に注入することにより大部分の症例において閉塞を解除することが可能であるという臨床的事実によって裏書きされた。なお閉塞の一部(筆者らの経験では約20%)は、ニトログリセリンの冠動脈内注入によって解除されるので冠動脈の攣縮によると考えられる。このことは発作時の心電図でSTの上昇、つまり貫壁性の虚血を伴う急性心筋梗塞には当てはまるが、それ以外の急性心筋梗塞には必ずしも当てはまらない。心筋梗塞による壊死は動物実験では心内膜側からはじまり、心外膜側に向かって波状に進展し冠動脈の閉塞後4~6時間で貫壁性の壊死が完成する。したがって心筋の壊死の進展を防ぎ梗塞巣を縮小させるためには冠動脈の閉塞の解除、つまり再灌流療法は閉塞後4~6時間以内に行わなければならない。しかしながら、臨床例においては閉塞の発生時間が確定しにくい場合が多いこと、閉塞と解除を繰り返す症例も少なくないこと、側副血行路の有無、発達の程度などが症例により異なることなどから、必ずしも動物実験におけるとおりではないかもしれない。左室心筋の25%以上が壊死に陥ると左心不全が生じ、40%以上の壊死では心原性ショックに陥るといわれている。

近年、急性心筋梗塞の早期に、冠動脈の閉塞を血栓溶解療法や経皮的冠動脈形成術(PTCA)などにより解除することで梗塞巣の縮小、心機能および生存率の改善がもたらされることが明らかにされた。冠動脈血栓溶解療法は当初、閉塞冠動脈へ直接ウロキナーゼやストレプトキナーゼなどの血栓溶解剤を注入する方法が行われたが、最近ではフィブリンに対する特異性が高く静脈投与で有効な血栓溶解剤、組織型プラスミノーゲン‐アクチベーター(tPA)が臨床的にも導入され、また従来からのウロキナーゼやストレプトキナーゼも静注でも有効であることが明らかとなり、急性心筋梗塞の初期治療法は再灌流療法の時代にはいることになり、その治療方法は大きく変化しつつある。しかしながら、いくら新しい治療法が導入されても一旦心筋梗塞になると、たとえ生存し得た場合でも心機能は障害され、また心機能が改善されたとしても発症前のレベルまで回復することはできない。したがって、心筋梗塞は何よりも予防が肝心である。

1.喫煙の急性効果

それでは喫煙は急性心筋梗塞の発作の引き金となりうるであろうか。すでに述べたごとく喫煙は血小板の粘着・凝集を亢進して冠動脈内血栓形成、それに基づく冠動脈閉塞をきたす可能性がある。さらに血小板の凝集によって生じたトロンボキサンA2は、カテコールアミンによる交感神経性α受容体の刺激とともに冠動脈を収縮させる。冠動脈の収縮はアテローム粥腫を崩壊させて、これがまた血栓形成の引き金となる。以上のことから、喫煙は急性心筋梗塞の引き金となる可能性があるが、実際、喫煙直後に急性心筋梗塞に陥った症例を何例か経験している。したがって、喫煙は急性効果としても心筋梗塞を惹起する可能性を有する。

2.喫煙の慢性効果

 喫煙が心筋梗塞の危険因子であることは多くの報告で確認されている。たばこの本数が多いほど、また喫煙期間が長いほど心筋梗塞に罹患する危険度は大である。一方、喫煙をやめると危険度は数年のうちに非喫煙者のそれに近づくことが知られている。心筋梗塞後の禁煙は再梗塞または突然死による死亡率を20~50%減少させる16)17)。わが国では平山ら18)の10年間にわたる追跡調査があるが、喫煙者は非喫煙者に比し、虚血性心疾患の罹患ならびにそのための死亡が高いことが報告されている。細田ら33)の報告では、急性心筋梗塞の予後は、喫煙者で急性期、遠隔期ともに非喫煙者よりも良好であったが、これらは喫煙者は非喫煙者に比し、若年であったことが要因の一つであるとしている。

喫煙と突然死

突然死は突然、思いがけなく心臓が停止して死亡することを意味する。殺人や災害事故あるいは自殺による死亡は除外され、通常は1時間以内に死亡する場合をさしている。蘇生術などにより蘇生される場合は突然心停止という。突然死は米国では年間約40万人とされ、その約80%が虚血性心疾患によるものとされている。わが国における統計は十分には明らかではない。突然死の患者の大部分は、死亡前に心血管疾患の症状や徴候を有しているが、20~25%の例では心停止が最初にして最後の徴候である。中年以降の男性に起こることが圧倒的に多く、日常生活の最中に突然出現することが普通である。突然死の大部分は心室細動によって惹起されると考えられる。

1)突然死の危険因子

突然死の症例の約8割において冠動脈の動脈硬化が多枝にわたって認められる。したがって、動脈硬化の危険因子がこれらの症例において認められると予想されるが、実際、高脂血症、喫煙歴および高血圧などの危険因子が突然死の症例において高頻度に認められる。虚血性心疾患の患者でもつぎの4つの所見があれば突然死の危険はさらに大である。

a. 心室の電気的不安定:突然死はほとんどが心室細動によるものであるが、心室性不整脈とくに多源性やR onT 型心室性不整脈、心室頻拍などは心室細動へ移行しやすい。

b. 冠動脈の多枝病変:冠動脈の罹患動脈枝が多いほど、つまり多枝病変例ほど突然死に至りやすい。

c. 左室機能低下:特に心室瘤がある場合、または駆出率が低下している場合は突然死をきたしやすい。

d. 心電図異常:伝導障害、QT延長、ST-Tの変化などは危険因子である。

2)突然死と喫煙

突然死の大部分が虚血性心疾患によるものであれば、突然死の予防は詰まるところ冠動脈硬化を予防あるいは制御することにある。冠動脈硬化の危険因子として高脂血症、喫煙、高血圧などが知られているが、これらの因子を除去ないしは制御することによって突然死を予防することが可能であろうか。

Framingham研究によれば、12年間の経過中、喫煙者は非喫煙者よりも虚血性心疾患による突然死が4倍も多いことが示されている19)。さらに1日当たり喫煙されるたばこの本数に比例して突然死も多いと報告されている。Hallstrom ら20)は蘇生術により救命された310名の喫煙者を対象として、蘇生後喫煙をやめた群と喫煙を続けた群に分けて突然死の再発率を調べている。3年間の追跡調査では、再発率は喫煙中止群においては19%であったのに対し、喫煙を続けた群では27%であり、有意差をもって喫煙中止群において、突然心停止の再発率の低下が認められた。彼らは喫煙は動脈硬化を促進することにより突然心停止をきたしやすくする可能性があるが、6ヶ月でもすでに喫煙群と非喫煙群に差が見られたことから喫煙は短期間でも心停止をきたしやすくすると結論している。

突然死は虚血性心疾患以外の心疾患にも由来する。これらの中には先天性冠動脈異常、心筋症、大動脈狭窄症や僧帽弁逸脱症候群などの弁膜症、洞機能不全、WPW症候群およびQT 延長症候群などの電気生理学的異常などが含まれているが、喫煙はこれら虚血性心疾患以外の心疾患による突然死の危険も増大すると考えられている。たばこおよびその成分であるニコチンや一酸化炭素は、実験動物で心室細動の閾値を低下させることが知られており、一方血小板凝集能を亢進させ血栓の形成を促進する。これらの作用が突然死の危険因子となっていると考えられる。いずれにしても喫煙を中止することは突然死の予防策として重要であると思われる。

喫煙と不整脈

すでに述べたごとく、喫煙はニコチンを介して交感神経系を刺激しカテコールアミンの分泌を増加させる。心不全や虚血性心疾患の患者においては不整脈が発生しやすいが、喫煙は虚血を悪化させるとともにカテコールアミンを介して直接に不整脈の発生を助長し、致死性の不整脈、ひいては突然死に至る可能性がある。しかしながら、この方面に関する研究はほとんどなされていない。

喫煙と心不全

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下したために体組織が必要とするだけの血液を送り得ないか、あるいは/および鬱血をきたした状態を意味する。急性と慢性とに分けられるが、主に喫煙と関係するのは慢性心不全である。慢性心不全は、臨床的にみると主として左室機能不全を基盤に呼吸困難などを伴う運動耐容能低下と不整脈がみられ、生命に関する予後が悪い。慢性心不全例では交感神経系は活性化されて、血中カテコールアミン濃度は増加し、末梢血管は収縮して末梢血管抵抗と後負荷が増大している。一方心筋の収縮性は低下し、心筋内β受容体は感受性が低下している。このような状況下に喫煙を行うことは交感神経をさらに刺激してカテコールアミンを増加させ、後負荷を増大させて心不全を増悪させる可能性がある。一方、カテコールアミンの増加は心筋の収縮性を高める可能性もあるが、β受容体の感受性が低下しているのでこれはあまり期待できない。この方面に関する研究はきわめて少ないが、児玉ら34)は、喫煙不全心例における心機能に対する影響を調べたが有意ではなかったと報告している。慢性心不全例では不整脈の発生は必発であるが、すでに述べたごとく喫煙は不整脈の発生を助長するので、この面からでも心不全に対して有害であると考えられる。

喫煙と高血圧

喫煙は交感神経系を刺激することにより、急性効果として血圧を上昇させる。しかしながら多くの疫学的研究では、喫煙者は非喫煙者よりも血圧は低い傾向にある。この理由は十分には明らかではないが、喫煙者は非喫煙者に比し体重が少ないことと関係があるかもしれない。しかしながら、24時間血圧計を用いて調べた春見ら35)の報告は、喫煙者は非喫煙者に比し24時間の平均および覚醒時血圧が高く、喫煙歴の長短よりも一日喫煙本数の多少が影響している可能性を示唆している。彼らは喫煙は血圧よりも心拍数により大きい影響を及ぼすとしている。非喫煙者に比し、喫煙は降圧薬に対する反応に影響を及ぼす可能性もある。高血圧患者のうち、喫煙者は非喫煙者に比し心血管系による死亡率が大である。また、喫煙は悪性高血圧をきたしやすくする。

喫煙と慢性閉塞性動脈疾患

慢性閉塞性動脈疾患には、閉塞性動脈硬化症arteriosclerosis obliterans(ASO)と閉塞性血栓血管炎thromboangitis obliterance (TAO)(バージャー病)とがある。前者、つまり閉塞性動脈硬化症は、腹部大動脈または四肢の主要動脈が粥状硬化病変のため狭窄あるいは閉塞し、四肢特に下肢に慢性の循環障害をきたす疾患である。動脈硬化病変による狭窄に加えて血栓の形成がしばしば見られる。この疾患も生活習慣の欧米化、人口の高齢化とともに増加している。高脂血症、喫煙、糖尿病などの動脈硬化の危険因子が重なると発生しやすい。閉塞性血栓血管炎は発症年令が20~40歳と若年者に多く、皮膚静脈の血栓を伴った炎症が先行、または併発する。閉塞性動脈硬化症と異なり高脂血症、高血圧、糖尿病などの危険因子との関連は少ないが、喫煙者、特に heavy smoker に圧倒的に多い。

喫煙は慢性効果としてこれらの慢性閉塞性動脈疾患の危険因子であることは明かである。しかしながら、山本ら36)のドップラー血流計を用いた研究では、これらの患者において下肢の血流は喫煙の前後で有意には変化しなかった。

 

喫煙と糖尿病血管合併症

 

糖尿病は動脈硬化の危険因子であるばかりでなく、心、腎、網膜などの臓器の細小動脈の病変を引き起こすことが知られている。これに喫煙が加わると病変がさらに悪化すると考えられるが、阿部ら37)の研究ではこのことは必ずしも実証されなかった。

受動喫煙と循環器疾患

上記疾患と喫煙との関係は喫煙者自身に関することであるが、本人がたばこを吸わなくても喫煙者の煙を吸ったために生ずるいわゆる受動喫煙が循環器疾患にも悪影響を及ぼすことが明らかにされてきた。米国心臓協会(AHA)はこれを受けて、1992年受動喫煙が心血管疾患に有害であることをデータに示しつつ公式の声明を発表した21)。受動喫煙にさらされる非喫煙者は、1.3倍の循環器疾患をきたす危険率をもつ。一方、喫煙者は非喫煙者に比べて1.7倍の危険率であるから、受動喫煙がいかに危険であるかが理解される。AHAは、受動喫煙は予防可能な循環器疾患の最大の原因の一つであり、非喫煙者が受動喫煙にさらされることを防ぐのにあらゆる努力がなされねばならないとしている。

*1熊本大学医学部循環器内科

文献

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研究年報

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23) 泰江弘文、堀尾 豊、六反田学ほか 喫煙の冠循環に及ぼす影響について-喫煙の全身および冠循環に及ぼす急性効果に関する研究. 昭和59年度喫煙科学研究財団研究年報:282-286.
24) 泰江弘文、堀尾 豊、井本信哉ほか 喫煙の冠循環に及ぼす影響について-喫煙の全身および冠循環に及ぼす急性効果に関する研究. 昭和60年度喫煙科学研究財団研究年報:299-305.
25) 稲田満夫、岩坂疇二、斧山英毅ほか 虚血性心疾患の発症及び予後に及ぼす喫煙の影響-危険因子の検討を中心に. 昭和60年度喫煙科学研究財団研究年報:315-320.
26) 泰江弘文、奥村 謙、小川久雄ほか 喫煙と虚血性心疾患との関連に関する研究-喫煙のヒト冠動脈径に及ぼす影響. 昭和63年度喫煙科学研究財団研究年報:219-223.
27) 泰江弘文、奥村 謙、小川久雄ほか 喫煙と冠動脈攣縮との関連に関する研究-冠動脈収縮の機序としての交感神経機能および血小板機能の検討. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:176-181.
28) 浅野牧茂、大久保千代次、広川章子ほか 粥状動脈硬化発生過程の広域循環系および微小循環系におけるたばこ煙吸入に関する研究5. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:251-261.
29) 児玉和久、南都伸介、井上通敏ほか 喫煙者の冠血流予備に関する研究-喫煙と冠血管攣縮性狭心症. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:251-261.
30) 泰江弘文、奥村 謙、小川久雄ほか 喫煙と冠動脈攣縮との関連に関する研究-喫煙の異型狭心症患者の長期予後に及ぼす影響. 昭和62年度喫煙科学研究財団研究年報:336-340.
31) 泰江弘文、久木山清貴、奥村 謙、ほか タバコ主流煙による血管トーヌス変化に関する研究-動脈硬化における血管壁SOD活性とタバコ主流煙中フリーラジカルとの関連. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:191-195.
32) 中西弘則、高野静子、中畑則道、ほか 冠循環動態におよぼすニコチンおよび喫煙の影響-特にプロスタグランジンとの関連について. 昭和60年度喫煙科学研究財団研究年報:292-298.
33) 雨宮邦子、田村光司、内田達郎、ほか 虚血性心疾患の合併症と喫煙の関係-喫煙歴の有無から見た急性心筋梗塞の予後. 平成5年度喫煙科学研究財団研究年報:199-202.
34) 児玉和久、三嶋正芳、山本一博ほか 不全心の循環動態に対する喫煙の影響. 平成2年度喫煙科学研究財団研究年報:192-196.
35) 春見健一、黒岩昭夫、真島三郎ほか 喫煙の日常生活における血圧心拍変動に及ぼす影響. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:166-168.
36) 山本恵一、上山武史、横川雅康ほか 慢性閉塞性動脈疾患の地域的実態と喫煙等の影響-下肢末梢動脈領域病変に対する無侵襲診断法の開発と、それに基づく治療法の開発-.昭和61年度喫煙科学研究財団研究年報:240-243.
37) 阿部 裕、吉田途男、東堂龍平ほか 糖尿病血管合併症に対する喫煙の影響. 平成元年度喫煙科学研究財団研究年報:240-247.